絶賛追記中ですが、多くの人に知ってほしいため更新します。
目次
「身体はトラウマを記録する」の概要
トラウマ、愛着などに興味がある方にとって必見の本をご紹介します。
この本は4000円以上しても決して高いとは感じませんでした。その本を読んで感じたことを、少しづつまとめていきます。
私たちは何よりもまず、患者が現在をしっかりと思う存分生きるのを助けなくてはならない――世界的第一人者が、トラウマによる脳の改変のメカニズムを解き明かし、薬物療法や従来の心理療法の限界と、EMDR、ニューロフィードバック、内的家族システム療法、PBSP療法、ヨーガ、演劇など、身体志向のさまざまな治療法の効果を紹介する、全米ベストセラー。トラウマの臨床と研究を牽引してきたヴァン・デア・コーク博士の集大成。
本ブログでの「トラウマ」の定義について
発達障害とトラウマは密接に関係するテーマなのだろうか?
ここで考えてみたい。発達障害の中でも、トラウマを抱えていない人もいると思うが、トラウマの問題で苦しんでいる人が多いように感じる。自分自身、その理由を知りたかった。
この本は、「発達障害」についてメインで語った本ではないが、「人間関係がどのように発達の仕方を決めるか?」などのテーマは語られている。また、本書では「発達性トラウマ障害」という表現が別で使われている。この本を読み進めることで、上記テーマの仮説を持つことができるのではないか?と考えた。
「身体はトラウマを記録する」を読んで感じたこと
読みながら、「印象に残っている項目」の解説をしていきます。
■第4部 トラウマの痕跡
この章は、「トラウマの記憶と通常の記憶がいかに違うか?」について詳細に記述がある。
第12章 「思い出すことの堪え難い痛み」
ここで名言が。
トラウマの本質は、トラウマが圧倒的に信じ難く、耐えられないことだ。
P323
まさに、自分自身がディマティーニメソッド(別途ブログに書きたい)に関わっていて、感じる部分である。いかに、自分自身が自分の見たくない部分を見ないように生きているか?はそれだけでもブログが1つ書けてしまう。
■第5部 回復へのさまざまな道
第13章「トラウマからの回復-自己を支配する」
ここにも印象的な文章が。
他者との触れ合いや同調は、生理的な自己調整の源泉であるものの、人と親密になりそうになると、傷つけられ、裏切られ、見捨てられるのではないかという恐れが引き起こされることがよくある。
P345
「触れ合う」ことについての記述がある。「触れ合う」ことによって、人が癒しを感じるというのは、よく言われ始めてたり、実感としてもあることだ。そのテーマに関しては、こちらが詳しい。
第14章「言葉-奇跡と虐待」
次の言葉は、どちらかというか、ソーシャルワーカーたちにとって衝撃的な部分。
だからこそセラピストは、自分自身のセラピーを徹底的に済ませておかなければならない。そうすれば、患者の話によって憤激や嫌悪の感情が生じたときにも、自らその感情を処理して、情動的に患者の役に立ち続けることができる。
P401
第15章 過去を手放す-EMDR-
「睡眠とのつながりを探る」
睡眠と抑うつ状態の関係性。自分自身との実体感ともつながって、印象的でした。
睡眠、とりわけ夢を見ているときの睡眠が、気分の調節に重要な役割を果たすことは、研究によってすでに明らかになっていた。
(中略)
夢は古い記憶の断片を、何ヶ月も、何年にもわたってさえ、再生し、再結合し、再統合し続ける。
P429~P430
「睡眠」については、このブログでさらに触れていきたいテーマです。
第16章 自分の体の中に棲むことを学ぶ――ヨーガ
共感した項目はこちら。
長期にわたって怒ったりおびえたりすていると、筋肉が常に緊張状態になるために、いずれ痙攣や背中の痛み、偏頭痛、線維筋痛症といった、何らかの慢性疼痛の症状が出る
P439
自分自身、長らく、「原因不明の緊張性頭痛」に悩ませられていた。神田橋さんの改訂 精神科養生のコツなどを手掛かりに、カイロプラクティックに通ったり、その本に書いてあることを実践したりした。自分自身、ヨガをやっているが、その経験ともリンクする。
「緊張性頭痛」について、わかってきたことは、ブログでまとめています。
総括して
この本では、「無力感の記憶」「解離」というのが、キーワードになっている気がする。
それを、一般の人が理解しやすいような形で触れられている。600Pにも渡る超大作だが、「人の心」「回復」に関わる人は、ぜひ読んで欲しいと考えています。
「身体はトラウマを記録する」を読んだ人にオススメしたいもの
ブログ「いつも空が見えるから」
いつも長編ながらも、読ませる構成になっているこのブログ、最高です。
本「愛着障害はなおりますか?」